【内科学一般(含心身医学)】

共感による苦痛軽減のメカニズムについての研究

由利和也先生

 

高知大学

医学部 医学科(総合人間自然科学研究科 医科学専攻)

 

 どんなことを研究していますか?

私たち解剖学講座では、脳の研究を行っています。脳は意識を作りだし、一般感覚や特殊感覚機能をつかさどりながら、身体各部の統合機能を行っています。

 

個体の身体だけではなく、仲間を思いやったりする心(共感)を生み出したりもしています。仲間との共感によって、痛みが和らいだりします。その脳内でのメカニズムについて研究しています。

 

いたわりの心は痛みを和らげる

 

痛みの認知は、社会環境により様々な修飾を受けます。当講座では家族間の強い絆で結ばれている、げっ歯類であるプレーリーハタネズミを用いて、その社会環境を操作することにより、痛みの認知がどのように変化するかを解析しています。

 

今のところ仲の良いネズミが共にいると、同程度の刺激に対して痛みが軽減されることが分かっています。脳内の扁桃体を中心とした、感情をコントロールする辺縁系の関与が示されました。

 

クリオスタットにて凍結切片作成
クリオスタットにて凍結切片作成
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一般的な傾向は?

 

●主な業種は→解剖学                      

●主な職種は→教員、研究者 

 

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ソーシャルブレインズ入門 <社会脳>って何だろう

藤井直敬(講談社現代新書)

脳科学の世界では、複数の脳がつながった状態、すなわち社会の中での脳のふるまい、「ソーシャルブレインズ」を解明しようという研究が注目されています。著者はマサチューセッツ工科大学や、理化学研究所脳科学総合研究センターで、脳科学の最前線で研究を行ってきました。

 

私たちの社会は多数の脳が集まって形成されていると捉え、自己の脳は常に他者の脳と「駆け引き」をしながら脳機能を発揮しています。ソーシャルブレインズの研究方法、他者の顔や表情の認知機能がなぜ重要なのか、自己と他者の境界はどこなのか、なぜ恋人や友人との関係性で一喜一憂するのかなどについて、ソーシャルブレインズの研究データをもとに、脳科学者の視点で解説しています。