【日本語教育】

日本語教師

ノンネイティブの日本語教師養成の道を開く

川上尚恵先生

 

神戸大学

国際連携推進機構 国際教育総合センター(国際文化学研究科 グローバル文化専攻)

 

 出会いの一冊

日本人の知らない日本語 なるほど~×爆笑!の日本語“再発見”コミックエッセイ

蛇蔵、海野凪子(KADOKAWA)

日本語学校の先生と学生たちが、日本語について、いろいろな意見を出し合い、おもしろおかしく考えていくマンガです。

 


 こんな研究で世界を変えよう!

ノンネイティブの日本語教師養成の道を開く

中国で出会った中国人日本語教師

私の研究分野は、日本語教育です。日本語教育は、日本語を母語としない人々(その多くは外国人)に日本語を教えるものです。私は、現在まで日本語教育に20年ほど関わっていますが、新米日本語教師の頃に、中国で出会った中国人の先生たちのことがとても印象に残っています。

 

年配の先生方は日本語について知識が深く、また学生に対して教育的立場から愛情をもち、若い先生方は日本語学習に熱心に取り組みつつ、教育力の向上にも頑張っていました。

 

日本語教師に必要な能力や資質は何か

 

現在、私は大学院で将来日本語教師になりたいという人に日本語教育を教えています。その学生の多くは留学生で、彼らの多くは努力の末に高い日本語力を持っています。日本の教育機関などで日本語教師養成を行うときには、文化庁の指針に沿って行います。そこには、日本語教師はどのような能力を持つべきなのか、どのような態度や人間性を持つことが求められるのか、などが示されていますが、その日本語教師は、日本語を母語とする日本語ネイティブの人で、留学生のような非母語話者(ノンネイティブ)は前提とされていません。

 

ノンネイティブ教師の養成プログラムを研究

 

しかし、ノンネイティブの人には、ネイティブにない長所や特徴も多くあります。例えば、私が受け持っている留学生は、日本語を外国語として勉強してきた経験を持っています。それは、日本語母語話者にはない経験です。

 

今、私は、日本語非母語話者の経験や長所を生かした日本語教師養成のプログラムを作るための研究をしています。将来、日本語の先生になりたいという日本語のノンネイティブの人たちが、私が出会った素敵な先生たちのような先生になるお手伝いができれば嬉しいです。

 

 先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「日本語非母語話者の特性をふまえた日本語教師養成プログラム構築のための基礎研究」

詳しくはこちら

 

 どこで学べる?

「日本語教育」学べる大学・研究者はこちら(※みらいぶっくへ)

 

その領域カテゴリーはこちら↓

20.文化・文学・歴史・哲学」の「82.文学、美学・美術史・芸術論、外国語学」

 


 もっと先生の研究・研究室を見てみよう

留学生就職支援セミナーにて。日本で働くことについて留学生と話している様子

 中高生におすすめ ~世界は広いし学びは深い

ぼくは勉強ができない

山田詠美(新潮文庫)

高校生時代、自分が人からどう見えるのか、どのような大人になりたいかを考えた時に、とても影響を受けた本です。



女性研究者とワークライフバランス キャリアを積むこと、家族をもつこと

編:仲真紀子、久保(川合)南海子(新曜社)

研究者としてのキャリアの中で、どうやって子育てをしていくか、女性研究者それぞれの具体的な例がわかります。