Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?
化学
【グリーン・環境化学】
レアメタル
レアメタル・白金族金属を効果的に回収できる有機化合物の開発
山田学先生
秋田大学
理工学部 物質科学科/国際資源学部 資源開発環境コース(理工学研究科 物質科学専攻/国際資源学研究科 資源開発環境学専攻/理工学研究科 附属革新材料研究センター)
賢くはたらく超分子 シャボン玉から未来のナノマシンまで
有賀克彦(岩波科学ライブラリー)
皆さんがイメージしやすい化合物は、高分子化合物や有機化合物だと思います。一方、私が専門とする分野は超分子化学といって、高分子化合物や有機化合物とは異なります。超分子化合物は、分子と分子の間に比較的弱い力が働き、分子同士がゆるやかに結びつき、集合体を作ります。この現象は、皆さんの身近にある食品や生活品にも利用されています。
この本には、超分子化学が誕生したきっかけとなった王冠状の分子(クラウンエーテル)から、食品や飲料に使用されている環状オリゴ糖のシクロデキストリン、界面活性剤が形成するミセルやシャボン玉、超分子の様々な機能などが、わかりやすく紹介されています。超分子とはどのような分子なのか知りたい高校生には、必ず読んでほしい本です。
レアメタル・白金族金属を効果的に回収できる有機化合物の開発
希少金属のリサイクルは世界的な課題
貴金属に分類される白金族金属(パラジウム(Pd)や白金(Pt)、ロジウム(Rh)など。以降、PGM)は、私たちの身近にあるものに使用されています。
代表的な例として、ガソリン自動車に搭載されている排気ガスを浄化する触媒(自動車排ガス触媒)があります。
自動車排ガス触媒には、現在、PdやPt、Rhの三種類のPGMが使用されています。しかし、これら金属はとても高価であり、地球上の存在量が少ないといった問題があり、世界でリサイクルする取り組みが行われています。
しかし、ここで使用されるPGMを分離するための材料には、安定性や分離性能、選択性など解決すべき課題があります。
PGMを効果的に分離できる抽出剤の開発
私たちは、上記課題を克服できるPGMを効果的に分離できる抽出剤の開発に取り組んでいます。その一つが「ピンサー型抽出剤」と呼ばれる有機化合物の開発です。
ピンサーは「カニばさみ」という意味で、ピンサー型抽出剤中の3つの元素で、あたかも「カニが餌を食べる」ように、金属を捕らえる興味深い化合物です。
スマホなどからのリサイクルも期待
この抽出剤は、使用済みの自動車排ガス触媒を溶解させた酸性溶液から見事にPdを効果的に分離できるということがわかりました。「PGMを分離するピンサー型抽出剤」に関する研究を行ったのは、私たちが世界で初めてです。
将来的には、自動車排ガス触媒以外にもスマートフォンなどPGMを含むものからの分離にもピンサー型抽出剤が利用できると期待しています。
◆主な業種
鉱業・資源
◆主な職種
(1)基礎・応用研究・先行開発
(2)生産技術(プラント系)
化学者たちの感動の瞬間 興奮に満ちた51の発見物語
有機合成化学協会(化学同人)
この本には、ノーベル賞を受賞された先生方や著名な先生方が研究で経験した感動の瞬間が書かれており、研究に対する熱い思いが伝わってきます。大学に入学して有機化学に関する研究をしたいと考える高校生におすすめです。
Q1.18歳に戻って大学に入るなら何を学ぶ?
化学
Q2.日本以外の国で暮らすとしたらどこ?
アメリカ
Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は?
『ターミナル』
Q4.研究以外で楽しいことは?
海釣り