【社会学】

震災や疫病

環境学、気候学、歴史学から震災とその復興を考える

遠藤薫先生

 

学習院大学

法学部 政治学科(政治学研究科 政治学専攻)

 

 出会いの一冊

書物と映像の未来 グーグル化する世界の知の課題とは

長尾真、遠藤薫、吉見俊哉(岩波書店)

「知」が人類の歴史を作ってきました。「知」はメディアによって人々に共有されます。今、Googleに代表されるようなインターネットサービスが世界に広まり、「知」の形も大きく変わりつつあります。

 

そのとき、これまで「書物」や「映像」に担われてきた「知」はどのように変容するでしょうか。その期待と課題を、様々な視点から専門家たちが語ります。高校生から大学生、社会人まで、どなたにも興味深く読んでいただけると思います。

 


 こんな研究で世界を変えよう!

環境学、気候学、歴史学から震災とその復興を考える

震災発生や病気の流行の背景

東日本大震災は私たちの社会に大きな衝撃を与えました。そしていま、新型コロナウィルスが、世界を揺るがしています。震災と疫病は、別のものと感じられるかもしれません。けれども、その背後には、共通した要因が潜んでいます。

 

人類の科学技術が進む中で、気候変動など自然環境に変化が現れ、また産業や社会のあり方、そして人びとの生き方も大きく変わってきました。震災にも疫病の流行にも、そうした変化が深く関わっているのです。

 

様々な学問分野と社会の構造変化を連動させる

 

ここで気をつけなくてはいけないのは、「変化」とは現在から未来のことばかりではありません。人類が誕生して以来、人間たちの生き方、社会、自然は常に変わってきました。「変化」とは「時間」なのです。

 

ですから、東日本大震災とその復興(さらには新型コロナウィルス問題)を考えるには、環境学、気候学、農林業に関する研究、歴史学などの成果と、社会の構造変動とを連動させて考えることがとても重要です。こうした学際的研究は、世界の持続可能性に関する関心の高まりを背景に、社会学以外の多くの分野で現在進められています。

 

自然−人間−文化の重層的関係を踏まえた社会のダイナミズムの解明により、災害からの復興に貢献するとともに、新たな社会学を開くことを目指しています。

 

2019年7月東京大学KAVLI講演「間メディア時代の社会倫理」1
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サイエンスカフェ「自動運転の未来」(永井正夫氏と討論)写真181221
サイエンスカフェ「自動運転の未来」(永井正夫氏と討論)写真181221
 SDGsに貢献! 〜2030年の地球のために

目標9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」に対して、産業史の視点から新しい可能性を探ることができると思います。目標11.「住み続けられるまちづくりを」に対しては、人々はどのように地域を創ってきたか、その核心を考えることができます。目標14.「海の豊かさを守ろう」に対しては、海の豊かさと、交通路としての重要性を考えることができます。また目標15.「陸の豊かさも守ろう」に対しては、海と陸の豊かさの相乗効果を考えます。

 

 先生の専門テーマ<科研費のテーマ>を覗いてみると

「東日本大震災からの復興と共同体--三陸沿岸の産業史を踏まえて」

詳しくはこちら

 

 どこで学べる?

「社会学」学べる大学・研究者はこちら(※みらいぶっくへ)

 

その領域カテゴリーはこちら↓

18.社会・法・国際・経済」の「72.社会学」

 


 先生のゼミでは

メディアの変化が社会の変化とどのように関わっているかを考えています。ソーシャルメディア、文化(特にサブカルチャー)や広告などから、人々の無意識を探ります。

 

 もっと先生の研究・研究室を見てみよう
2019年12月ゼミ忘年会
2019年12月ゼミ忘年会
 先輩にはこんな人がいる ~就職

◆主な業

 

(1) マスコミの記者など

(2) 広告会社のクリエイター

(3) IT企業のSE

 

 中高生におすすめ ~世界は広いし学びは深い

ロボットが家にきたら… 人間とAIの未来

遠藤薫(岩波ジュニア新書)

ロボットやAIが急速に日常化しつつある現在、考えるべき問題点や、文化によるロボット観の違い、そして未来の人間社会の予測などが書かれています。人文社会科学の視点から科学技術の過去から未来を読み解く本。



カワイイ文化とテクノロジーの隠れた関係

横幹〈知の統合〉編集委員会(東京電機大学出版局)

現代日本が世界に発信する「カワイイ文化」について、社会科学と自然科学をまたいで、様々な視点から専門家たちが語ります。



ともに生きる地域コミュニティ 超スマート社会を目指して

横幹〈知の統合〉編集委員会(東京電機大学出版局)

今、世界では、AIやロボット技術による第4次産業革命が進み、新たな技術を利用したまちづくり(超スマート社会)が構想されています。その期待と課題を、様々な視点から専門家たちが語ります。

 


 先生に一問一答

Q1.日本以外の国で暮らすとしたらどこ? 

フィンランド。人々が真面目で優しい。

 

Q2.一番聴いている音楽アーティストは?

Perfume。『TOKYO GIRL』がお気に入りです。

 

Q3.感動した映画は?印象に残っている映画は?

『アフタースクール』

 

Q4.大学時代のアルバイトでユニークだったものは?

社会調査。

 

Q5.研究以外で楽しいことは?

町並みや、お寺、神社などを訪ねて歩く。